2度目の挫折
今まで出来てた事ができなくなり辞めるという決断をします。
彼は2年もかかりましたが、なんとかオーダー等もきっちりこなせるようになり、あとは仕込みを覚えるだけの段階まできました。
接客業未経験の彼がここまで来れた事はバイトの子達と大喜びしました。
包丁を握った事がないとの事で苦戦だらけでした。
野菜を食べやすいように切ると教えても、野菜は食べないからわからない。
切ってある野菜が売ってあるのになんでそれを使わないのかと頭に浮かんだ疑問をバンバンぶつけてきます。
コストの問題だと教えても、そんな事してまで給料多くなくてもいいかなーとか言い出します。
まぁ納得するまで時間がかかりましたが、なんとか様になるようにはなりました。
でも事件が!!!!!!
今までやった事のない事をする反動なのか、彼は仕込みにハマってしまうんですね。
楽しい!ずっと仕込みをしていたい!と言い出します。
仕事が楽しい事はいい事だ!と自分も調子に乗ってしまいます。
色々と一気に教えてしまいました。
バンバン仕込みをこなす彼が上達していくのはいい事なんですが、飲食店なので、客足に左右されて、仕込みを調整する事ができなかったんです。
大量に余る食材、、、
唖然とする彼、、、
完全にやっちまった感がありました。
まぁでも失敗は経験だ!と処分させました。
やっぱり自分が仕込んだ物を捨てるという行為は彼も相当なダメージでした。
そこで、やはり仕込みは時間を決めてこの時間だけにしよう。と決め解決したかと思いました。
そうすると彼、仕込みから解き放たれて、最初に教えたホールや調理に入ります。
ん?なんでお客さん怒ってるの?とすぐに責任者呼べーと言われます。
はい!彼ホールの仕事忘れてました。
オーダーの際に呼ばれて、なんすか〜ってお客さんのとこに行ってたんです。
レジをした時も1万円からお預かりした時にお札を数える事もしなくて、お客さんからクレームがたくさん入ってしまいます。
でも彼は仕込みにハマっていたので、仕込みだけの仕事に就きたいと言い出します。
ここでもう無理だ!やっぱり俺には向いていないと。
辞める!!って言い出すんですね。
2度目の挫折でした。
そして彼は探してきたんです。
中華料理の野菜切りの仕込み専門の仕事を。
毎日30キロのキャベツ
500個のピーマン
500本のナスビ
玉ねぎ50キロ
これを1日ひたすら切る仕事を!
終わる時間も決まってなければ、開始時間も決まってないとの事。
終わるならいい!そんなとこでした。
彼はワクワクしてます。
とりあえずは1人バイトの子が就職決まっていたので、シフトの調整が終わった後の彼の辞める発言だったので、半月は居てもらうように話をしました。
彼も了承してくれて、何日か過ぎたところで彼は指を切ります。
3針縫う怪我でした。
それで彼は、ヘラヘラと笑いながら店に戻ってきました。
辞める事をやめる!!っていきなり言うんです。
こっちとしてはまたか?みたいな感じで、少し時間を置こうと提案します。
3度目は無い!って事でまた彼は頑張る事を決意しました。