ADHDで悩む彼を雇用してみた ③

ADHDの診断を自分で受け入れた時に彼は20歳を過ぎた時だったらしい。

 

思い返すとやらなければいけない事が常に頭の中にある状態みたい。

 

簡単に説明してくれた事を自分がまとめたらほぼ合ってたと教えてくれた。

 

例えば、皿を洗わないといけない!

でもお風呂にも入りたい!

そして洗濯もしたい!

 

この3つのどれを選択しても、2つは忘れてしまうらしい。

 

多分ほとんどの方が効率を重視してお風呂に入って、残り湯で洗濯を回し、その間に皿を洗う!

みたいな順番が多いと思います。

 

でも彼はその効率を無視した事をやってしまいます。

 

仕事にしてもそうでした。

なので最初はバイトの子達は何かが違う!

この仕事を残してなんでこっちをやってんの?

みたいなザワザワした感じが最初はありました。

 

その時に彼は全部やらないといけないのはわかっている、でも1つの事をやる時にこれもしないといけない!って背徳感から焦って忘れてしまうと言ってました。

 

彼の最初の挫折

 

何がわからないのかが、わかんない!

これに相当苦しみます。

 

これをやっちゃダメだ!と思いながらも、やってしまう。

これの理由が自分でもわからない。

実際克服とはいいきれませんが、克服に近い状況にもっていくまでに2年かかりました。

 

話は少し逸れますがファイナルファンタジー14というゲームを一緒にやってたんですよ。

それはオンラインのRPGのゲームで、ロールごとのプレイがはっきり分かれているんです。

 

例えばタンクは敵視を絶対に漏らさないぞー

ヒーラーは回復は任せな

DPSは痛い攻撃来る前に倒すぜ

みたいな感じでロールごとの役割を仕事の役割に例えて教えていきました。

 

それに当てはめて教える事ですんなり受け入れていくことができました。

 

今まではなんだったのかと思うくらい彼も受け入れやすかったと言います。

 

とにかく興味のあるものを一緒に共有する事が1番大事だと感じました。

 

ゲームをしない人にゲームの説明をしてもダメなので、スポーツとか漫画とかでも少しでも興味のあるものに置き換えて説明する事ですんなり聞き入れてくれます。

 

 

何をするかはわかっている!

でもそれをやる事で、どんな風になるのか、意味がわかっていない事が多いので

野球ならピッチャーは投げるだけじゃなく、打たれたらどこかのカバーに走ったりしている。

それはなぜか?

って部分を話して、じゃあ仕事でフライヤーの人がレジに行ったりした場合は?って聞くとその時の仕事の優先度が低い人がフライヤーにカバーに入れば店は回る!って感じで答えてくれます。

そして作るべきは仕事の優先度を書いた物です。

それが頭に入ってしまえば、後はその場所ごとの100パーの力を出せるように進めていけました。

 

病院の先生も絶賛してくれたので、これからADHDだけど、と悩む人や雇用する人は頭の片隅にでも置いてもらえればいいかもしれません。

あくまでも自分がやったやり方なだけですが。

 

あとはお店の仕事の役割を紙に書いて目につく場所に貼っておきました。

フライヤーは綺麗で、揚げ忘れが無いように三度の確認。

 

ホールはオーダーの復唱、提供後の確認。

レジでの商品の復唱。

 

あとは時間割を作りました。

仕込みの時間を作るとそれにとらわれてしまいパンクしたので、この時間からこの時間までの間に3種類くらいの仕込みを用意し、これの好きなものを順次終わらせていく。

 

あとは苦痛になるかも知れないが、日報を書かせました。

 

10点満点中何点だったかも一緒にしてもらい何度も日報を無くしますが、無くした場合は休憩時間にラインをしてもらい一緒に一個ずつ解決していきました。

 

これも次の日に聞くって事は絶対だめです。

 

次の日にはあんまり覚えてない事が多かったです。

 

色々なものに興味を持ったり、休憩の時にゲームをしたりしてもその事が頭にあり続けるので、どんどん薄れていってました。

 

なので、一回注意した事でも何日かするとまた注意をしないといけなかったり。

 

本人に悪気はありませんが、あーこの前言われたやつか!みたいな態度できます。

 

きっとその時カチンとくると思います。

でもそんな事承知で雇ったのですから一旦こちらが落ち着きましょう。

 

そしてこの流れの時に同じ失敗をしている!って部分を見つけてあげてほしいです。

 

これをやっている時にここに対しての注意がそれて、こんな風に迷惑がかかっている!って感じですね。

 

彼は

やっぱり否定されて生きてきたので、迷惑という言葉にとても恐怖を感じていました。

 

彼にいつも言ってたのは

お前が嫁子供ができた時に怒られたりしてる姿を見せたくないし

諦めていた家庭を持つということを実現してほしい!

 

結婚して楽しい事などを色々話して頑張ってくれましたが、今現在のところまだ彼女すらできていません……

 

 

 

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